1.LIXILメンバーズコンテストに見る“設計力”のある家
LIXILメンバーズコンテストは14,000社以上(2022年3月時点)の工務店やリフォーム店が競う業界最大級のコンテストです。
ここでは、2022年の受賞作品を見ながら、どのような事例が高評価を得たのか見ていきましょう。
(1)LIXILメンバーズコンテスト2022グランプリ事例(新築部門)
作品名:暁の家
会社名:Livearth × 大橋利紀建築設計室様(岐阜県)
作品名:暁の家
会社名:Livearth × 大橋利紀建築設計室様(岐阜県)
受賞作では「長く住み続ける程に深みの増すデザイン」を大切に、家の性能を数値で“見える化”し、光の入り方や風の動きなど、その土地の魅力を最大限に生かした心地良い空間づくりを提案しています。LIXILメンバーズコンテストは歴史があり、参加者数も多くてレベルが高い。そこで評価していただくことは自信になりますし、審査員の方からは建築に愛があるからこその厳しい言葉も言っていただけるので、自分たちでは気づかない視点を得ることができてありがたいです。
(1)LIXILメンバーズコンテスト2022グランプリ事例(リフォーム部門)
作品名:M様邸古民家再生 伝統と先端が和する家
会社名:前川建設(株)
幸木之家様(兵庫県)
作品名:M様邸古民家再生 伝統と先端が和する家
会社名:前川建設(株)
幸木之家様(兵庫県)
暮らしに寄り添う“幸せな木の家づくり”をモットーに実績を積み重ねてきました。お客様は施工写真を見て要望されることが多いため、事例の発表の場になるコンテストに参加し、賞を取れるように努力しています。今回の受賞作は、歴史や物語のある物件で、“伝統と先端の和”をテーマに最初からグランプリを意識していました。審査員の方の「変えるところと変えないところの思い切りがいい」という評価は、自分たちがこだわった部分を的確に言葉にしていただけて嬉しかったです。
2.今求められるのは、工務店の“設計力”
2022年度の新設住宅着工戸数は、前年度比0.6%減の86万戸となり、昨年の増加から再び減少しています。持家は前年度比11.8%減の24万戸となり、注文系住宅会社にはより競争力が求められています。
コロナ禍において、住宅購入の情報収集方法も変化し、特にWEB(HP・SNS)で住宅会社を絞り込んだ上で、展示場・見学会と更に絞り込んでいくというスタイルに変わってきています。
注文住宅を求めているユーザーの目に留まるためには、自社のデザインや設計力をしっかりとWEBで発信していかなくてはなりません。
(1)設計力をつけることで自社のポジショニングを確立
注文系ビルダーは、自社の設計力をつけることで他社との差別化を行い、ポジショニングを確立していくことができるでしょう。
また最近のユーザーは新築にこだわる傾向も減り、中古住宅+リノベーションといった選択も増えてきています。リノベーションにおける設計力を強みにしている会社も出てきています。
(2)住宅価格/延床面積 平均値の推移~新築部門のみ集計
LIXILメンバーズコンテスト応募作品の新築部門の住宅価格と延床面積の平均値を見てみました。
そうすると、坪単価は2019年度と比較し坪11.5万円もアップし、一方で延床面積は2.1坪コンパクトになっていることが分かりました。
資材価格高騰の局面の中で、コンパクト化の工夫を施しながらも、ユーザーには、皆様のデザイン設計と快適性提案の付加価値が認められ、価格にしっかりと反映していると読み取ることができると思います。
(3)総工事費/施工面積 平均値の推移~リフォーム部門のみ集計
LIXILメンバーズコンテスト応募作品のリフォーム部門の総工事費と施工面積を見てみました。
施工面積は微増でしたが、総工事費に関しては1棟あたり500万円近くも高まってきており、
付加価値の高い提案ができていると読み取ることができます。
新築・リフォームともに資材価格の高騰が続いている中、コンパクトで快適な住空間を提案できる、設計力のある工務店やリフォーム会社が求められ、そういった会社が受注価格を高めることが出来ているようです。
(4)設計力を活かして、自社のブランディングを
設計力をつけていくことで、自社の施工物件・事例をSNS等で紹介。
HP等にも事例を掲載しながら、自社の設計力をアピールしていきます。
また設計スタッフやモデルハウスなどの動画も配信。
お客様の次の行動を促す仕掛けを行っていくことで、来店につなげていきましょう。
お客様の心理状態・行動に合わせた絵策を打ちながら、ブランディングしていくことが重要です。