法律講座 〜弁護士が教える知っておきたい法知識〜

※LIXILメンバーズ通信2026年夏号(2026/6)に掲載した記事です。

AI活用の判断と取締役の責任

AIの導入は企業の競争力を左右する一方で、
法令違反やリスク管理といった問題も伴います。
では、AIを活用するかどうか、またどのように活用するかを判断するにあたり、
取締役はどのような責任を負うのでしょうか。

AI活用の最終判断は取締役にある

住宅業界においても、AI(人工知能)を企業活動の多様な場面で活用する事例が増加しています。各企業において、AIの開発・導入・活用の可否や態様を最終的に決定するのは取締役(取締役会)です。

したがって、AI活用に関する取締役の義務・責任をいかに評価するかは、今後のAI活用を左右する重要な課題といえます。例えば生成AIは、膨大な情報処理能力や高度な分析力を有する一方、ハルシネーション※1、説明可能性の欠如(いわゆるブラックボックス問題)、バイアス、法令違反リスクといった課題を内包しています。これらの特性を十分に踏まえないままAIが活用され、その結果、違法または不適切な事象が生じ会社に損害が発生した場合、取締役の善管注意義務※2違反や任務懈怠責任※3が問題となり得ます。

では取締役がAI活用を意思決定する各場面において、善管注意義務の内容および責任の評価をみていきましょう。

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