法律講座 〜弁護士が教える知っておきたい法知識〜

※LIXILメンバーズ通信2026年新年号(2026/1)に掲載した記事です。

工務店が注意すべき補助金申請の責任とリスク

工務店によるGX志向型住宅補助金申請の代行業務において、予算消化の進行が当初の想定を上回り、
申請前に予算上限に到達したため、補助金が支給されないケースが2025年7月に発生しました。
補助金を活用する際のリスクを確認しましょう。

補助金申請代行の法的関係

工務店が施主に代わって補助金申請を行うという関係性は、施主が補助金申請業務という法律行為でない事務を工務店に対して委託するという関係(民法656条)にあり、準委任契約に該当します。

準委任契約における受任者が負担する善管注意義務に基づいて適切な申請手続を行うことが債務となり、補助金が絶対に取得できるなどの説明をしていない限り、仮に補助金が受給できなかったとしても、その結果自体をもって債務不履行と評価されるわけではありません。

GX志向型住宅補助金のように、予算の上限が定まっているものについては、常に予算上限達成により終了する可能性があることから、できる限り迅速に申請事務を行う必要があり、別段の合意が無い限り、これが債務の内容になっています。

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