法律講座 〜弁護士が教える知っておきたい法知識〜

※LIXILメンバーズ通信2025年秋号(2025/9)に掲載した記事です。

厳しい時代こそ発想転換を弁護士が解説する工務店経営のヒント

建築関連法の改正が進む中、住宅業界は人材不足の他、
高齢者や外国人などへの住宅差別など多層的な課題に直面しています。
住宅を社会保障として明確に位置付けることが、今後不可欠になるのではないでしょうか。

はじめに

国土交通省は、令和7年5月27日に開催した第5回の「改正建築物省エネ法・建築基準法の円滑施行に関する連絡会議」で、4月1日の建築基準法・建築物省エネ法改正前後における建築確認、省エネ適判の申請・審査状況について報告しました。

この会議において、建築確認では、申請件数に対して確認の交付件数が少ない状況が続き、審査機関の要処理件数が増加している傾向が見られたとの報告がありました。中でも私が気になったのは、「工務店の受注件数が激減している」「建築確認に時間が大幅にかかるようになったため、4月の上棟物件が大幅に減少している」という各業界団体から寄せられた意見です。

3月中に前倒しで基礎着工を行い、4~5月上棟予定件数を減らさないよう平準化を図るという対応が予測されていたのですが、そもそも論で、工務店の受注件数が激減しているのは、建築基準法改正だけの要因ではないと思われます。

第5回「改正建築物省エネ法・建築基準法の円滑施行に関する連絡会議」について詳しくはこちら

連絡会議参画団体からの情報共有に基づく各業界の状況

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