法律講座 〜弁護士が教える知っておきたい法知識〜

※LIXILメンバーズ通信2025年春号(2025/3)に掲載した記事です。

建設業法の改正で何が変わる?

近年、建設業界では人手不足が深刻な問題となっています。
資材価格の高騰や2024年4月から適用された時間外労働規制などへの対応も求められており、
これらの問題を解決するために建設業法が改正されました。

労務費確保のための方策

建築業界は仕事を提供する立場にある元請業者が強く、下請業者はなかなか元請業者に対して値上げの要求ができないのが実情です。大手住宅会社は毎年のように下請業者に対して値引きの要求をし、下請業者は仕事を失いたくないので、これに応じざるを得ない状況に追い込まれます。この業界の長年の慣行に加え、近頃は資材価格が高騰。下請業者は資材価格が高騰した分、労務費をカットしてなんとかやりくりをせざるを得なくなり、ますます労働環境が悪化しています。

このような環境下にあっても、下請業者は安定して元請業者から仕事を受注したいし、ライバル企業に受注競争で競り勝つために、労務費を削ってでも安い工事価格で受注を得ようとする傾向もあります。この状態を打破するため、建設業法を改正して労務費確保の措置を講じようということになったのです。

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