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補助金効果で内窓・省エネ工事など好調─ジェルコ調査

2024年1月29日

日本住宅リフォーム産業協会(ジェルコ、盛静男会長)はこのほど、会員各社の2023年10~12月期の実績および2024年1月以降の見通しなどについて公表した。これによると、10~12月期の実績は受注件数・金額ともに「増加した」との回答が多く、件数では38.8%、金額では40.3%を占めた。「半年前に実施した前回調査に及ばないものの、年間を通じて会員の受注実績は良好だった」としている。

回答した会員67社(従業員数平均9.4人)の年間売上高の平均は5億3835万円(同5億8676万円)。中央値は2億500万円で前回より2000万円ほど増加した。粗利益率は29.8%(同27.7%)だった。

工事規模別の実績は、受注件数・金額ともにほとんどの工事規模で「変わらない」とする回答が最多に。一方、小工事(100万円未満)と小中工事(100~300万円未満)は、「増加」が「減少」を10%程度上回るなど、好調さがうかがえた。大規模工事(1000万円以上)」は価格高騰のあおりを受けたこともあり、「減少した」との回答が「増加」の2倍近くに達した。

工事部位別では、前回調査と同様に「内窓」が大きく伸長。他にも各種省エネ関連の補助金効果で、「給湯器」「省エネ機器」「省エネ・断熱工事」などが大幅に増加した。水回り部位の工事では「増加」「減少」の割合が拮抗し、キッチンでは「増加」30.4%、「減少」37.5%、トイレでは「増加」26.8%、「減少」18.8%、浴室では「増加」35.7%、「減少」31.3%などとなった。

この1年間における地域での新築市場・リフォーム市場の景況については、「リフォームの方が良かった」が46.3%と、半数近くに達している。会社の業績を左右した要因については、プラス要因では「補助金事業への取り組み」(52.2%)、「営業強化」(35.8%)との回答が上位に。マイナス要因では「資材高・コストアップ」(55.2%)、「人手・職人不足」(41.8%)が上位となった。

資材高、2024年問題などに警戒

会員各社の2024年の見通しは、「昨年と同じくらい期待できる」との回答が49.3%と半数を占めた。その一方で、「資材高・職人不足の進行で思うほど伸びない」とする回答も28.4%あった。4月から適用される「時間外労働時間の上限規制」への対応については、「工期を見直し実施可能な工期とする」との回答が53.7%で最多に。次いで、「人員増強等の現場生産性アップを行う」との回答が29.9%で多かった。

1~3月期の見通しについては、受注件数・金額ともに前期(10~12月期)と「変わらない」とする回答が多かったほか、「減少」が「増加」を数ポイント上回るなど、警戒感が垣間見られる結果となった。