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完全週休2日が確保できない実態──国交省調査

2023年6月5日

国土交通省は5月31日、建設業の働き方改革を推進する目的で民間工事を対象に実施した2022年度の「適正な工期設定等による働き方改革の推進に関する調査」の結果を公表した。注文者からの工期の提案が「妥当な工期が多かった」との回答は59%を占めた。ただし妥当と回答した建設企業のうち「4週8閉所」は14%に止まっており、注文者から提示された工期では完全週休2日制が確保できない実態も浮かび上がった。

注文者から提示された工期は適切か N=1432 注文者から提示される工期の現場閉所率 N=1431

調査は、2023年1月19日現在(2022年1月以降に請け負った工事)の状況について、建設企業(建設業法に基づく届出団体の会員企業)2182社と、民間発注者42社を対象に実施。建設企業1693社、発注者全社から回答を得た。

最初の工期設定は「注文者から提示される」が85%を占めた。このうち、工期が妥当との回答は59%を占めたが、一方、「(著しく)短い工期の工事が多かった」も39%にもぼる。特に完工高別50億円以上では54%が短いと回答している。

最終的な工期は「注文者と協議を行い、受注者の要望も受け入れられることは少なくない/受注者の要望も受け入れられることが多い」の回答が52%を占めた。ただし、「注文者の意向を優先することとし、協議は依頼しないことが多い」の回答も22%を占めており、特に下請工事が主の建設企業は、協議を依頼しないことが26~31%と最も多く、国交省は「下請企業から元請企業(上位下請企業)に協議を依頼し難いものと考えられる」とした。

また、「注文者と協議を行うが、受注者の要望は受け入れられないことが多い」と回答した建設企業のうち、「4週4閉所(未満)」が56%を占めている。

受注工事における週休2日工事の割合は「約1割程度」の回答が25%を占めて最も多く、「概ね全て」の回答は4%に止まった。特に民間工事や建築工事が主である建設企業では週休2日工事の割合が低い。工事に係る技術者の平均的な休日の取得状況については、「4週6休程度」が42%で最も多く、「4週8休以上」は12%にとどまるため、「週休2日工事の拡大が喫緊の課題」などとしている。