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住団連「顧客実態調査」太陽光や蓄電池への関心高まる

2022年9月21日

住宅生産団体連合会(住団連)はこのほど、「2021年度戸建注文住宅の顧客実態調査」を公表した。住宅性能に関する項目では、長期優良住宅を適用した割合が全体の86.3%を占めたほか、住宅性能表示制度を採用した割合が約7割に。設備関連では「太陽光発電パネル」や「蓄電池」などへの関心が高まっていることが分かった。

同調査によると、2021年度の世帯主年齢の平均は39.9歳。近年、取得年齢が低下傾向にあったが、昨年度と比べて0.3歳上昇した。住宅の延床面積は124.5㎡で2.3㎡縮小。建築費は3816万円(同1万円増)、住宅取得費の合計は5783万円(同446万円増)で、自己資金や借入金を増やす一方で、延床面積を抑制する傾向が見られた。ローンでは、ペアローンまたは夫婦の収入合算を利用する割合が1.6ポイント増加し39.6%となった。

住宅敷地の取得状況は、「従前住宅の敷地(古家解体・新築)」の割合が28.2%と2.4ポイント増加。「新たに購入した土地(土地購入・新築)」は2.5ポイント減の54.1%となった。約7割は従前から建物があった宅地に建てている。敷地の属する区域は「居住誘導区域内」が39.7%。「災害危険区域等に該当しない」は73.3%だが1.4ポイント低下し、「災害危険区域等に該当」は4.2%で0.6ポイント増加した。

住宅の種類は、「戸建注文住宅」が88.8%で0.5ポイント増加。「プレハブ工法」が48.6%を占めた。住宅取得で重視した点は「住宅の間取り」(67.1%)、「住宅の断熱性や気密性」(41.1%)、「地震時の住宅の安全性」(36.7%)などで、例年と同様の傾向。甚大な風水害への対策が求められる中、「水害・津波の受けにくさ」を重視する割合は33.8%から32.1%に低下している。

環境対応住宅への関心も高まっている。関心のある設備・技術については「太陽光発電パネル」(64.4%)、「メンテナンスフリー外壁」(35.6%)、「蓄電池」(30.5%)が上位となった。新型コロナ対応では「テレワークスペース」(43.3%)、「玄関に近い洗面スペース」(41.8%)への関心が高かった。一方、低炭素住宅の適用の割合は3.0%で0.9ポイントと微増だった。

住宅取得の動機付けとなった税制特例(複数回答可)は、「住宅ローン減税」「すまい給付金」「グリーン住宅ポイント」「住宅取得資金贈与非課税特例」「太陽光発電(再生エネルギー買取制度)」「ZEH補助金」などを挙げる意見が多かった。一方、適用については「住宅減税」が3.1ポイント減の85.1%、「すまい給付金」が11.9ポイント減の43.2%にとどまっている。消費税への影響については19年度以降、圧迫感が強まる傾向にあり、「かなり圧迫感があった(57.8%)、「少し圧迫感」(24.3%)を合せて全体の8割を占めた。

同調査は戸建注文住宅の顧客ニーズの変化を把握することを目的に、2000年から毎年1回実施しているもの。調査対象エリアは、3大都市圏(東京・名古屋・大阪)と地方都市圏(札幌市・仙台市・広島市・福岡市・静岡市)。有効回答数は3420件(住団連企業会員13社・2631件、団体会員5団体・789件)。