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国交省が「まちなかの居心地の良さ」測るツールを改良

2023年6月2日

国土交通省は5月31日、「まちなかの居心地の良さを測る指標」(改訂版ver.1.0)を作成し、公開した。「Excel」を使った分析ツールに、事前調査や現地調査の内容を入力することで、対象地の「居心地の良さ」の分析結果がレーダーチャートで表示されるもの。2019年度に公表した指標案をベースに、実際に活用した人たちの声を反映して完成させた。

今回のバージョンでは、「滞在者・通行者がどのように場を利用しているか」(活動)、「どのように感じているか」(主観)に着目。これらを「安心感」「寛容性」「安らぎ感」「期待感」の4要素に分類して計測することで、都市空間の質を可視化する。

表示例

表示例

例えば「安心感」の項目では、「(活動)赤ちゃんを連れている人がいる」「(主観)赤ちゃんを連れてこられる場所だと感じる」、「(活動)子どもを遊ばせている」「(主観)子どもを安心して遊ばせられる場所だと感じる」―などをポイントとして計測。ここにチェックが入ると「行ってみよう」と思う要因となり、逆に入らないと人を遠ざける要因になる。

他に「空間の状態」では、沿道の建物・土地、機能などの状況を調べるための項目を用意。「滞在のしやすさ」の指標として、「給水・手洗いができる場所がある」「雨天時・災害時に避難できる場所がある」「近くに交番・警察署がある」などの設問を設けている。

計測のイメージ

計測のイメージ

実際に調査を行う場合は、①対象地・実施時期の決定、②調査票を用いた現地計測、③分析ツールによるアウトプット作成、④結果分析─の手順で行う。調査票は▽基礎情報記入シート▽空間の状態確認シートA(周辺建物・土地)▽同Bシート(対象地内・付近の施設)▽滞在者・通行者確認シート▽居心地の良さ確認シート─の5種類。調査にかかる所要時間は36分程度を目安としている。