法改正・補助金等について

省エネ性能表示でガイドライン案 ラベルデザインも決定

2023年5月29日

国土交通省は5月26日、改正建築物省エネ法(2024年4月施行)に基づく省エネ性能の表示ルールに関する検討会を開き、告示およびガイドライン案について審議した。4月に一般公募した「省エネ性能表示ラベル」のデザイン選考も併せて行った。告示・ガイドラインはパブリックコメントと最終審議を経た後、7月上旬頃に公表。7月下旬に事業者に向けた「ガイドライン(第1版)」の周知・説明を開始する。表示制度の施行は2024年4月を予定している。

採用された表示デザインの原案

採用された表示デザインの原案

告示およびガイドラインは、建築物の販売・賃貸時における省エネルギー性能の表示ルール(望ましい運用のあり方)を定めたもの。建築物の販売・賃貸事業者、広告関連事業者、建築物の設計者・審査者などを対象に、同ガイドラインに基づいた表示を求める。

省エネ性能表示は努力義務ではあるが、制度の信頼性を揺るがすような表示を行った事業者については、勧告などの措置を行う。

表示すべき事項は、非住宅建築物・複合建築物は一次エネルギー消費量評価(0~6)、住宅は一次エネルギー消費量評価(0~4)・外皮性能評価(1~7)、および評価年月日。建築物を購入・賃借する者に対しての情報提供を主な用途として、販売を行う建築物の広告(新聞・パンフレット・Webサイトなど)、建築物の概要資料・調査報告書などに表示する。

第三者評価(BELS)によるラベルは、省エネ性能の評価を得た後、国が提供するシステムで出力する。自己評価によるラベルは、国交省がホームページ上に公開する自己評価用のラベルデータを使用する。

第三者評価によるラベル発行の手順

第三者評価によるラベル発行の手順

経年劣化や性能を高める工事などにより性能レベルが変わった場合は、ラベルを再発行することを基本とするが、販売事業者と購入者の合意の元で正しい性能を説明する場合は、再発行しなくても良いものとする。

ガイドライン案および表示ルールについては、委員から「海外の例にもあるように、ラベルの有効期間を10年ぐらいに設定した方が良い」「表示の信頼性を確保するためには正確・新鮮な情報が重要」「別の計算をしなければならないようでは利用されない」などの意見があった。

表示ラベルデザインが決定 応募数は43作品

省エネ性能ラベルのデザインについては、4月7日~28日まで一般公募により募集。応募者数29者・43作品の中から1作品が選ばれた。ラベルは「住宅/非住宅」「第三者評価/自己評価」の計4種類。委員からの意見や改善点などを反映した上で、後日正式に公表される。