法改正・補助金等について

自社内の実習も一部助成 「人材開発支援助成金」の活用を

2023年5月23日

厚生労働省は、建設事業主向けに「人材開発支援助成金」として、建設関連の訓練や若手人材の育成に向けた技能実習などを実施するための助成を行っている。コースは「建設労働者認定訓練コース」と「建設労働者技能実習コース」の2つがあり、条件によって「経費助成」「賃金助成」「賃金向上助成・資格等手当助成」といった追加助成が受けられる。具体的な条件や助成内容について解説していく。

建設労働者認定訓練コースとは?

「建設労働者認定訓練コース」は、建設関連の訓練を実施した場合や建設労働者に対して認定訓練を受講させた場合に、対象経費や受講者の賃金を助成するもの。

認定訓練は、普通職業訓練普通課程、短期課程の訓練や高度職業訓練、指導員訓練などで、経理事務・営業販売的の訓練は対象外。「広域団体認定訓練助成金」「認定訓練助成事業費補助金」を受けて認定訓練を行う場合に限る。「経費助成」では経費の6分の1が支給される。

「賃金助成」「賃金向上助成・資格手当助成」は、人材開発支援助成金(人材育成支援コース)の支給決定を受けていること、雇用する建設労働者に対して認定訓練を受講させ、訓練期間中に通常の賃金額以上の賃金を支払うことが要件。

1人あたり日額3800円で、賃金・資格手当の要件を満たした場合はプラス1000円となる。支給上限額は年間1000万円。

建設労働者技能実習コースとは?

「建設労働者技能実習コース」は、若年者の育成と熟練技能の維持・向上を図るために、キャリアに応じた技能実習を実施した場合に支給。実習内容によっては、事業主が自ら行う場合や所属団体が実施する実習を受講させる場合なども認められる。

主な実習内容は、▽建設工事における作業に直接関連する実習▽安全衛生教育▽登録基幹技能者講習▽技能継承に係る指導方法の向上のための講習―など。技術検定に関する講習では、▽建設機械施工▽土木施工管理▽建築施工管理▽造園施工管理▽電気通信工事施工管理▽電気工事施工管理─などが対象となる。

助成額は、雇用保険被保険者数20人以下の中小建設事業主の場合、「経費助成」では経費の4分の3、「賃金助成」では1人あたり日額あたり8550円。同21人以上の中小建設事業主の場合、「経費助成」では経費の10分の7など(受講者の年齢による)、「賃金助成」では1人あたり日額7600円が支給される。

支給上限額は1つの技能実習につき1人あたり10万円まで。事業主自ら実施する場合は、指導員謝金、指導員旅費、実習場所の借上料、建設機械の借上料、教材費、委託費などの実費負担分が経費として認められる。