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休日出勤が増加の傾向──建専連調査

2022年5月10日

建設産業専門団体連合会(建専連、東京都港区)はこのほど、2021年度「働き方改革における週休二日制、専門工事業の適正な評価に関する調査結果」をまとめ公表した。調査は、建専連正会員34団体所属の会員企業・下請企業を対象に、昨年10~11月に実施。有効回収は865件。休日の規定が4週6休程度の企業が増加傾向にあるものの、実際に取得できない場合も多く、休日出勤も増加している現状が浮き彫りになった。

就業規則等で規定する休日設定は、「4週6休程度」が36.8%と最も多い。「4週6休以上」は増加傾向にあるが、前年比では休日数が多い企業が減少している。社員数が増えるほど「4週8休以上」を設定する割合が高く、「100~299人」では約57%、「300人以上」では75.0%にのぼる。ただし、実際に取得できている休日は、「4週8休以上」が約10%で、就業規則等で決められている休日数(「4週8休以上」22.5%)を大きく下回る。

休日出勤の状況は、前回調査に比べ「20日以上」が約4ポイント増加。「4日以下」は約3ポイント低下しており、休日の規定は企業によってまちまちのため単純比較はできないものの、前年度より休日出勤が増加している(下グラフ)。

働き方改革における週休二日制、専門工事業の適正な評価に関する調査結果

週休2日制を導入できない理由としては、「適切な工期が確保できないため」が65.7%と圧倒的に多い。次いで「人手不足のため」「元請企業が休ませてくれないため」「日給の労働者の収入が減少するため」が30%台で続く。請負階層別では、下請企業の4~5割が、「元請企業が休ませてくれない」ことを挙げている。

昨年度の年間休日日数は、「80~89日」が22.9%と最も多く、「100~109日」22.6%、「90~99日」13.1%。平均年間休日数は「98.9日」で、全産業における企業平均「110.5日」と比べても少ない現状だ。

コロナ閉鎖への元請からの補償「なかった」73.5%

新型コロナウイルス感染拡大への現場の対応としては、「基本的な感染症対策」が95.6%と最も多い。次いで「定期的な体調確認」81.8%、「3密の回避」71.6%。現場の状況への影響については、「特にない」が47.6%と最も多いが、「現場が閉鎖された」33.4%、「工事着手時期が変更された」28.4%と続いた。許可業種別では内装仕上工事業は「現場が閉鎖された」が53.3%と最も多い。影響があった現場への元請からの補償は、「なかった」が73.5%と最も多い。

女性の就労環境の整備状況について、現場の半数で整備されているのは、「女性トイレ」37.7%、「女性更衣室」17.1%、「女性休憩室」8.1%。いずれも、「女性技能者がいないため不要」の割合が3割近い。

熟練技能保有者ほど給与高い傾向

給与支給額に関して、登録基幹技能者の平均給与額は39万9000円、職長は38万1000円、日本人技能労働者32万7000円で、概ね熟練技能を保有する立場ほど給与支給額は高くなっている。

登録基幹技能者の給与については、前回調査と比べるとわずかだが給与が「減少」している企業が増加。職長の給与は、「増加」が前回調査より約4ポイント減少し、「横這い」が約4ポイント増加しており、給与の伸びはやや鈍化していると思われる。日本人技能労働者の給与は、29.6%が「増加」しているが、前回調査より約4ポイント減少した。

給与の支払い形態は、「月給(固定給)」が64.8%、「日給月給」が 50.4%と続く。社員数が多い企業ほど「月給(固定給)」制の割合が多い。「日給月給」制の割合は、「鉄筋工事業」で多い。

外国人技能実習生の給与は、42.8%が「増加」しており、前回調査とほぼ同様。また、外国人就労者の給与については、「増加」が51.4%で、前回調査より約6ポイント増加した。

各技能者における給与(中央値)

各技能者における給与(中央値)
※平均給与額は、各技能者の平均年齢の給与支給額を表す。登録基幹技能者・職長・日本人技能労働者では40歳代、外国人技能実習生・外国人就労者では 30歳前後 ※給与に関する設問は、具体的回答があった者のみを集計対象としているため、他の設問とサンプル数が異なる場合がある