生活者動向について

現場見学会など、建設系への就職に好影響─高3アンケート

2024年4月4日

建設産業人材確保・育成推進協議会がこのほど公表した2023年度「高校3年生を対象とした進路に関するアンケート」によると、建設系学科の生徒のうち、約4割が卒業後の進路を決める際に、親(保護者)の影響を最も受けたと答えていることが分かった。さらに約2割が「現場見学会・出前講座の体験」と回答していることから、同協議会は「建設産業界が実施する体験学習の効果」だと評している。

同調査は、全国の建設系高等学校に在校する3年生(土木・建築など建設系学科のみ)の生徒を対象に実施したもので、有効回答者数は6423人。

高校卒業後の進路に関する質問では、全体の63%が「就職」、36%が「進学」と回答。このうち建設系に就職するのは全体の43%に当たる2735人、建設系に進学するのは19%に当たる1199人だった。

高校卒業後の進路

高校卒業後の進路

また、進路を決める際に影響を受けた人や体験などについて、最大2つまで答えてもらったところ、「親(保護者)」3489人、「学校の先生」1860人、「現場見学会・出前講座等の体験」1388人、「インターネットやSNS」890人の順に回答が多かった。

これらの回答について協議会は、「若年者が慣れ親しんでいるインターネットやSNSが上位であることから、インターネットやSNSのコンテンツによる継続的な訴求も重要だ」と分析している。

進路に影響を与えたもの

進路に影響を与えたもの

入学時に「建設系」の9割、卒業後も建設系

さらにクロス集計により、高校入学時に建設系への進路を決めていた生徒について、卒業後の進路との相関性を調べたところ、入学時に建設系に進むと決めていた生徒の9割が、卒業後も建設系に就職または進学を決めていることが分かった。一方、入学時に建設系以外に決めていた生徒のうち、建設系への進路を選んだ生徒は2割程度にとどまっている。これらの結果から、協議会は「高校入学前(小学生・中学生)に建設産業界への興味・関心を持ってもらうことが重要」だと結論づけた。

クロス集計の結果

クロス集計の結果

同じくクロス集計により、入学時は建設系に進む予定はなかったが、就職先を建築系に決めた生徒が、何をきっかけに決めたのかについて調べたところ、「会社の雰囲気・設備」「自らの成長が期待できる」「福利厚生や手当が充実」と答えている。一方、入学時も卒業後も建設系を選ばなかった生徒については、「福利厚生や手当が充実」「給与」「自らの成長が期待できる」を理由に就職先を選んでいる。