生活者動向について

建てたい家、半数が「在来工法の木造戸建」─内閣府調査

2024年2月9日

内閣府が2月2日に公表した「森林と生活に関する世論調査」によると、住宅を購入する場合に「木造」「非木造」のどちらを選ぶかを尋ねたところ、全体の7割が「木造戸建」を選択。全体の約半数が「在来工法の木造による戸建住宅」を、約2割が「ツーバイフォー工法など在来工法以外の木造による戸建住宅」を選んだことが分かった。

同調査は、日本国籍を有する全国の18 歳以上・3000人を対象に実施したもので、有効回答数は1624人。建物などへの木材利用についての考えや、森林との関わり方、農山への移住意向などについて尋ねている。調査期間は2023年10月5日~11月12日。

まず、「建物や製品に木材を利用すべきか」という質問に対しては、「利用すべきである」(45.4%)、「どちらかといえば利用すべきである」(45.3%)と回答。9割が「利用すべき」と回答している。その理由について、「触れた時にぬくもりが感じられるため」(64.8%)、「気持ちが落ち着くため」(51.7%)、「日本らしさを感じるため」(47.4%)などの回答が得られた。

「木材を利用すべきではない」(7.1%)と答えた人に理由を尋ねたところ、「森林破壊につながる印象があるため」(65.5%)、「火に弱い印象があるため」(29.3%)、「森林は保護するものだと学校で習ったため」(25.9%)などの意見が上位を占めた。

「住宅を建てたり買ったりする場合、どのような住宅を選びたいか」という質問では、「在来工法の木造による戸建住宅」と答えた人が48.2%で最多に。次いで、「ツーバイフォー工法など在来工法以外の木造による戸建住宅」(18.4%)、「鉄筋、鉄骨、コンクリート造りなど非木造による戸建住宅」(16.7%)、「鉄筋、鉄骨、コンクリート造りなど非木造によるマンション・集合住宅」(12.4%)の順となった。

購入したい住宅(世論調査結果より引用)

購入したい住宅(世論調査結果より引用)

非木造の戸建・集合住宅を選んだ人にその理由を尋ねると、「地震に強い印象があるため」(76.3%)、「火に強い印象があるため」(57.8%)、「遮音性が高い印象があるため」(44.9%)、「劣化しにくい印象があるため」(43.2%)が上位となった。

施設・店舗への木材利用にも好意的

また、木材を利用して欲しい施設については、「幼稚園・保育所・認定こども園や、小・中学校などの教育施設」(69.6%)、「旅館、ホテルなどの宿泊施設」(51.1%)、「公設のスポーツ施設、図書館、公民館などの社会教育施設」(45.4%)と答えた人が多かった。

「店舗やオフィスビル、ホテルなどの住宅以外の建物に木材が利用されることをどのように思いますか」との質問に対しては、「気持ちが落ち着く、快適そうなど、良い印象を持つ」(73.8%)、「環境意識が高い」(33.3%)、「木材が利用された店舗などがもっと増えてほしい」(28.3%)など、好意的な意見が上位を占めた。