リフォーム部門
グランプリ
受賞作
「 奏でる家 」
挑戦が価値に変わる瞬間。
受賞で広がる視野と出会い
まさかのノミネートも、プレゼンでは
いい家だときちんと伝えたかった
塚本 リフォーム部門のグランプリ受賞、おめでとうございます。まずは率直なご感想をお聞かせください。
西田 ありがとうございます。ノミネートされることすら想定していなかったので、グランプリという結果には本当に驚いています。
塚本 意外ですね。御社はこれまでも他のコンテストで多数受賞されている印象があります。今回、LIXILメンバーズコンテストに応募されたきっかけは何だったのでしょうか?
西田 ちょうど会社として広報活動を強化していこうというタイミングで、参加できるコンテストには積極的に挑戦するという方針のもと応募しました。会社としてLIXILメンバーズコンテストに応募したのは、今 回が4回目です。2017年にはリフォーム部門で地域優秀賞をいただいています。
実は今回は新築部門にも応募し、グッドリビング賞をいただきました。一方、グランプリをいただいた「奏でる家」は、応募点数に制限がなかったため、「せっかくならこちらも出してみよう」という軽い気持ちで提出したものでした。
塚本 それでグランプリとはすごいですね(笑)
西田 ノミネートが決まってからは、プレゼンテーションの準備に力を入れました。建物自体には自信がありましたので、その魅力をどれだけ伝えられるかが勝負だと考えました。何度も構成を練り直し、余分な言葉をそぎ落として、8分という制限時間に収まるように仕上げました。
また、施主様にも事前にコンテストに応募することをお伝えし、プレゼン内容も一緒に確認しながら進めていきました。今回の受賞を非常に喜んでくださっていて、それが何より嬉しいですね。
「奏でる家」に込めた想い。
リノベでも性能に妥協なし
塚本 今回グランプリを受賞された「奏でる家」について、お聞かせください。
西田 「奏でる家」という名前は、施主様ご家族が楽器の演奏を楽しまれていることに由来しています。敷地は弊社の事務所から徒歩5分ほどの距離にあり、地元のお客様です。当初は建て替えかリノベーションかで迷われていました。ご年齢が60代を超えていたこともあり、老後の暮らしを見据えた住まいの安全性や費用感について、ライフプランも踏まえて丁寧にご説明しました。
一度は弊社ブランド「DAIKOstyle」での新築という方針に決まりましたが、敷地調査を進める中で、既存の擁壁の取扱いや重機の搬入が困難といった立地上の課題が見つかり、建て替えではコストやリスクが大きいと判断し、最終的にリノベーションに切り替えることとなりました。
塚本 今回グランプリを受賞された「奏でる家」について、お聞かせください。
西田 「奏でる家」という名前は、施主様ご家族が楽器の演奏を楽しまれていることに由来しています。敷地は弊社の事務所から徒歩5分ほどの距離にあり、地元のお客様です。当初は建て替えかリノベーションかで迷われていました。ご年齢が60代を超えていたこともあり、老後の暮らしを見据えた住まいの安全性や費用感について、ライフプランも踏まえて丁寧にご説明しました。
一度は弊社ブランド「DAIKOstyle」での新築という方針に決まりましたが、敷地調査を進める中で、既存の擁壁の取扱いや重機の搬入が困難といった立地上の課題が見つかり、建て替えではコストやリスクが大きいと判断し、最終的にリノベーションに切り替えることとなりました。
方針が決まってからは、当初想定されていたご予算の中で、施主様がこだわりたい部分にしっかりと投資する計画で進めました。特に「明るく開放的な2階リビング」「高断熱・高気密」「耐震性能の確保」「自然素材へのこだわり」といったご要望を重視して、設計に力を入れました。
塚本 今回のグランプリ受賞において、特にどのあたりが評価されたと感じていらっしゃいますか?
西田 新築と同等性能をリノベーションで実現した点が大きかったのではないでしょうか。微動探査を実施した点も特徴的だったと思います。建物の性能は感覚ではな く、ロジックに基づいて説明できることが大切です。微動探査の結果は、絶対にプレゼンに盛り込むべきだと考えていたので、しっかりアピールしました。
高断熱住宅への信念を形にした
「DAIKOstyle」
塚本 御社の業務全体の中で、リフォームの割合はどのくらいなのでしょうか?
西田 新築の方が圧倒的に多いですね。弊社では非住宅の案件が多く、売上の7~8割を占めています。私はその中で住宅事業を担当しております。住宅事業部を立ち上げたのが2019年、ちょうどコロナ禍が始まった時期でした。この間に手がけた住宅は、新築が16棟、リノベーションが2棟、設計事務所との協業 が1棟という構成です。
塚本 その住宅事業部で立ち上げたのが、DAIKOstyleというブランドですね。
西田 はい。私はもともと別の建設会社に勤めており、その頃から新木造住宅技術研究協議会(新住協)の研修などで高断熱住宅を学んでいました。その時期に弊社代 表の表孝典と知り合い、その縁で地元に戻るタイミングで大幸綜合建設に入社しました。入社後に「自分がゼロから立ち上げられるものは何か」と考え、高断熱住宅を軸に据え、そこをベースに標準化と価値の可視化を実現したのがDAIKOstyleです。
塚本 ブランディングの要素として、「約束された価値」という考え方があります。DAIKOstyleの約束とは何でしょうか?
西田 まずは高い性能ですね。弊社ではすべての施工事例において、UA値、耐震等級、冷暖房負荷など、性能に関する数値を開示しており、「大幸綜合建設に頼めば、 この性能がついてくる」との信頼をいただいていると感じています。
あとは、クライアントとの関係性を大切にすることも、私たちのブランドのひとつの「約束」ですね。引渡し後も、責任をもって関わり続けること。それが弊社のスタンスです。建物には必ず定期点検が発生しますが、気まずくなるような関係の施主様は一人もいません。それは、自分の中でも誇らしいことでもあります。
見た目の美しさも、快適さの一部。
TWサッシ採用の理由
塚本 受賞作「奏でる家」では、LIXILのサッシ「TW」を採用しています。LIXIL製品は普段から多く使用されているのでしょうか?
西田 サッシについては、実はこれまで他社の樹脂窓しか使ってきませんでした。ただ、あるときLIXILの営業の方からTWのご紹介をいただき、新色の「ダスクグレー」に非常に惹かれました。
ダスクグレーは、薄暮の瞬間、一日の中で最も美しい時間帯をイメージした色名です。私にとってもその時間帯が一番好きなので、まずネーミングに心をつかまれました。
弊社では外壁に木を使うのが標準仕様ですが、その木が経年変化によってシルバーウッドに変わっていく過程において、ダスクグレーのサッシはとても馴染むと感じました。それで、「一度使ってみたい」と思ったのです。
最初にTWを採用したのは、DAIKOstyleの12棟目で、今回、新築部門でグッドリビング賞をいただいた住宅です。
塚本 そのときは初めからTWで提案されたのですか?
西田 いえ、当初は樹脂窓でご提案していました。ただ、途中で変更を提案させていただきました。性能の数値が若干下がること、そのことによる居心地への影響は未知数であることを丁寧にご説明しました。その上で、「見 た目の美しさも暮らしの快適さの一部」ということをご理解いただき、切り替えが実現しました。
結果、施主様に大変満足いただきました。その経験があったので、「奏でる家」でもTWを採用しました。今では“性能重視なら他社の樹脂窓”、“デザインと性能のバランスを取りたいならTW”と、明確に選択肢を分けてご提案しています。
性能は弊社を選んでいただく大きな理由のひとつですが、法整備が進み、今後は性能だけでは差別化が難しくなると思います。だからこそ、これからはデザインの力がより重要になる。私たちは今、性能とデザインの両立を目指しています。その意味で、TWは欠かせない“キーアイテム”だと捉えています。
「型」がないことへのコンプレックスから、設計塾との出会い
塚本 DAIKOstyleのホームページを見ると、建築家の方がデザインアドバイザーとして参画されているとありますが。
西田 その建築家が講師を勤めている設計塾に入塾したのがきっかけです。住宅事業部では当初、設計業務を外注していましたが、徐々に「自分で設計をやるべきでは」と感じるようになりました。ただ私は、現場監督として10年以上のキャリアがあるものの、設計の経験が乏しく、自分の中に「型」がないことに強いコンプレックスを抱いていました。そんな中で「未経験者でも可」とあった設計塾に出会い、思い切って通 うことにしたのです。
塚本 設計塾での学びはどのようなものでしたか?
西田 本当にたくさんの気づきがありました。建物の見方そのものが変わりましたし、有名建築も意識的に見るようになりました。今では月に1回ほどプランミーティングをお願いしています。自分では「完璧」と 思っていた案でも、「180度違う視点」でフィードバックをいただけます。時には「これは全然ダメだよ」と厳しく言われることもあります(笑)。非常に論理的で、私のように感覚で設計してしまいがちなタイプにはとても学びが多いですね。論理的に説明されると、理解もしやすく、自分の中にしっかりと定着します。
成長のきっかけは「発信すること」
塚本 設計塾以外で、西田さんの学び方や成長のヒントとなったものがあれば教えてください。
西田 SNSでの「情報発信」はすごく成長につながったと感じています。最初はブログを書いていたのですが、1本書くのに3時間くらいかかっていました。ただ、間違ったことは書けないので、自然と調べるようになり、結果、知識が増え、さらに人の投稿を見るようにもなって、学びが深まっていきました。
SNS でつながりが増え、本当にすごい人たちから刺激を受けることも多くなり、実際に見学会に足を運んで学ぶ機会も増えました。やはり「自分から動いて発信すること」が一番の近道だったと思います。
コンテスト応募が広げた世界
塚本 最後にこれからLIXILメンバーズコンテストに応募してみようという方に向けて、アドバイスをいただけますか?
西田 今回、入賞したことで本当に世界が広がったと感じています。憧れの先生方と直接お会いできて、名前まで 覚えていただける。そんな経験ができるのは、このコンテストの魅力だと思います。
たとえグランプリでなくても、入賞は設計者としての自信になりますし、施主様にとっても安心材料になりますよね。「自分が選んだ工務店が成長している」のは、きっと嬉しいことだと思います。ぜひ挑戦してみてほしいですね。
塚本 コンテストを通じて多くのつながりや設計への自信が生まれる。多くの方にもぜひ体験してもらいですね。本日はありがとうございました。
管理建築士
大幸綜合建設 工事部 部長 西田 宏則
経歴
摂南大学出身。鉄骨系ハウスメーカー、設計事務所、工務店を経験し、地元である東大阪の工務店で働くため大幸綜合建設に入社。妻と3人の子どもたちと高断熱高気密のQ1.0住宅で暮らす。
二級建築士、新住協Q1マスター会員、構造塾マイスター準1級取得。